巷で話題のDeepSeek。
業務効率云々の前に生成AIの市場を変えてしまう威力を持っている存在であり、トレンドとして押さえておく必要がある。
この記事では詳しいモデルの比較等は抜きにして
- なぜこんなにも話題になっているのか
- 実際に使ってみた所感
ここに着目して解説する。
そもそもDeepSeekって?
詳しい説明をするとキリがないと思うんだけど、教養として押さえるべきは以下の3点。
- 中国発のオープンソースAIモデル→めっちゃ重要
- 短期間で高性能かつ低コストなモデルを次々にリリースしている
- 無料で高性能なAIモデルを使用できてしまう
あと、数学的なタスクの処理能力がGPT-4oを超えていたり、無料で推論モデルを使えたりなど、話題のタネは尽きない。
実際に使ってみた
ものは試し。実際に触ってみた。
まずは登録
DeepSeekにアクセスをして「Start Now」ボタンを押すと登録ができる。

登録画面は上記の通り。自分はGoogleアカウントを使ってサインアップをした。
登録をすると、面倒な初期設定等はなく、すんなりとDeepSeekのチャット画面にアクセスすることができた。
実際に使ってみる
最初にお決まりの質問。自己紹介をさせてみた。

最初、中国語で出力されて面食らってしまったんだけど、日本語も問題なく回答できている。
使用感としてGPT-4o等に比べて明確に劣ることはなくて、むしろ無料でストレスなく使えることには優位性すら感じる。
話題のDeepSeek-R1 vs OpenAI o1

ここではDeepSeek-R1という今話題の推論モデルを使ってみる。
咬ませ犬となるのはOpenAIのo1モデル。
水平思考テストで戦わせてみる。
第1問
水平思考クイズとは、出題者に質問をしながら答えを推理していくゲームです。
ルールは
①質問は「はい」か「いいえ」で答えられるものだけOK!
〇 「職業は関係ありますか?」→「はい」
× 「職業は何ですか?」→はい、いいえで答えられない
②私は質問に対して「はい」「いいえ」「関係ありません」のどれかを答えます
③質問を繰り返しながら答えを推理しましょう!
このルールの中で以下の問題を解決してください。###問題
限られた人しかその場所をしらないはずのアジトがたった1週間で破壊された
いったいなぜ?
結論として、OpenAIのo1が正解。DeepSeekは完全に騙されていた。
ちなみに答えは「子供が公園に作った味とを公園の管理人が壊した」。
OpenAI o1の回答
**タスク分析 (1)**
1.1 この水平思考クイズのテーマは「ある“秘密のアジト”がわずか1週間で破壊された理由」を推理することです。
1.2 重要なポイントは「アジトは限られた人しか知らないはずなのに、すぐに破壊された」という矛盾をどう説明するかです。水平思考の問題なので、普通の常識にとらわれないユニークな答えが要求されます。
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**計画:コーディング(2)**
2.1 ロジカルに考えると「限られた人しか知らない場所」が破壊される原因には次のような例が考えられます。
- 実は“破壊”とは自然現象(雨や波、雪解け)によるもので、そもそも人間が壊したわけではない。
- その「限られた人」というのが、最初から“壊す予定の人々”(例:映画やドラマのスタッフ)だった。
- 特定のイベント(祭り・期間限定の催し)後に片付けとして“解体”した。
- アジトが脆い作り(砂の城、雪の砦、紙や木の仮設)で、自然に崩壊するようなものであった。
- インターネット等の拡散で、すぐに場所がバレてしまい、短期間で壊された。
2.2 これらの複数パターンを踏まえつつ、よくある水平思考問題の「定番シナリオ」としては、たとえば「ドラマや映画のロケ地(撮影セット)だったため、撮影終了後にスタッフが片付けてわずか1週間で建物が解体された」という解答が人気です。他にも、子供の作った“秘密基地”が大人に片付けられた、砂の城が潮で流された、雪で作った要塞が解けた、といったパターンもよく挙げられます。
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**計画:美学とデザイン(3)**
3.1 一般的にこの手の問題では「斬新な視点」を提示し、納得感と意外性のある“オチ”を用意するのがポイントです。そのため、多くの水平思考クイズで最もポピュラーなのは「撮影用セットだった」や「子供の遊び場で、すぐ壊されるようなものだった」のような答え方がよく採用されます。
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**コーディング前の思考プロセス(4.1)**
- まず「アジトが短期間で破壊された」という事実を「疑似的に“自滅”や“意図的に壊した”状況」に置き換えれば自然に説明できるのでは、という発想を検討します。
- 次に、「限られた人しか知らない場所でも、実はその“限られた人”自体が壊す側だった」という考え方もあります。
- さらに、「自然災害(台風、大雨、潮、雪解けなど)により崩壊した」というアプローチも筋が通ります。
最終的に多くの水平思考問題の“定番解”としては、以下のようなロジックがよく採用されます。
> **解答例**
> 「そこは映画やドラマの撮影のために作られたセットだった。撮影が終わると必要なくなり、スタッフが撤去して1週間で破壊(解体)された。」
>
> **あるいは**
> 「子供が作った秘密基地が、親に見つかって短期間で壊された。(もしは砂の城・雪の砦などで自然に壊れた)」
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### 最終回答(4.2)
**よくある定番の回答パターン**
- **撮影セット説**
> アジトは映画やドラマの撮影用に建てられたセットだった。撮影が終わるともう用済みなので、スタッフによりすぐに解体された。そのため実際には“一般の人は知らない(撮影に関わった限られた人のみ知っている)”場所だったが、短期間のうちに破壊(撤去)が行われた。
- **子供の秘密基地説**
> 実は子供が段ボールや材木で作った秘密基地だった。近所の子供たち以外、ほとんど知らないはずだが、親に見つかってすぐ撤去されてしまった。
- **砂の城/雪の砦説**
> 浜辺の砂の城や雪で作った小屋など、そもそも作った人(=限られた人)しか場所を知らないが、自然現象(潮が満ちる・雪が溶ける)ですぐに崩れてしまう。
上記のように、**「短期間で破壊された(あるいは自然に崩れた)」**という事象を「知る人が限られていたのになぜ?」という問いの意外性を組み合わせることで、水平思考ならではの回答となります。どれも「作り手や事情を知っている人だけが存在を知っていたものの、そもそも短期間で取り壊すことが前提だった/壊れる運命にあった」というのがポイントです。
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## まとめ
「限られた人しか知らないはずのアジトがたった1週間で破壊された理由」は、**「撮影後に解体された」「子供が作った一時的なものを大人が壊した」「自然現象で壊れた」**といったケースが代表的な“答え”として成立します。
水平思考クイズは、このように普段の常識を裏切る視点や発想がポイントになるゲームなので、自分なりに複数の可能性を考え、ストーリーが成立するものを見つけてみてください。
DeepSeekの回答
**推理プロセス:**
1. **内部の故意の漏洩か?** → **「いいえ」**
2. **技術的手段(衛星など)で発見?** → **「いいえ」**
3. **SNSや写真と関係ある?** → **「いいえ」**
4. **敵は写真から位置を特定?** → **「いいえ」**
ここまでの回答から、**「物理的な痕跡」**や**「無意識の行動パターン」**に焦点を当てる必要があります。
### 次の推理ステップ:
5. **アジトの近くで定期的な活動(例:物資調達、連絡)が行われていた?**
- → 仮に「はい」の場合、敵がその行動パターンを監視し、尾行や監視カメラでアジトを突き止めた可能性。
- 例:限られたメンバーが同じ店で物資を購入し続け、敵がその店を監視して尾行した。
6. **アジトの構造や音・光などが外部に漏れていた?**
- → 仮に「はい」の場合、発電機の音や夜間の照明、排気熱をセンサーで検知され位置がバレた可能性。
7. **アジト自体が一時的な場所(例:廃墟、賃貸)で、過去に別の目的で使われた記録がある?**
- → 仮に「はい」の場合、敵が不動産登記や古い地図を調査して場所を特定した可能性。
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**暫定答え:**
アジトのメンバーが定期的に同じ店で物資を調達していたため、敵がその店を監視し、メンバーを尾行することでアジトの位置を特定した。
(例:毎週同じコンビニで大量の食料を購入→不審に思った店員が通報、敵がメンバーを追跡)
第二問
水平思考クイズとは、出題者に質問をしながら答えを推理していくゲームです。
ルールは
①質問は「はい」か「いいえ」で答えられるものだけOK!
〇 「職業は関係ありますか?」→「はい」
× 「職業は何ですか?」→はい、いいえで答えられない
②私は質問に対して「はい」「いいえ」「関係ありません」のどれかを答えます
③質問を繰り返しながら答えを推理しましょう!
このルールの中で以下の問題を解決してください。###問題
転ばないように靴紐を結び直したユカはこっぴどく叱られた。
いったいなぜ?
結論としてどちらも不正解。
ちなみに想定回答は「お姉ちゃんの靴を勝手に履いていたから」
OpenAI o1の回答
**タスク分析 (1.1 ~ 1.2)**
- 問題文:「転ばないように靴紐を結び直したユカはこっぴどく叱られた。いったいなぜ?」
- これは水平思考クイズ(「はい/いいえ」で答えられる質問を通して状況を推理するパズル)です。
- ユカが靴紐を結び直した行為そのものは一般的には悪いことではないはず。しかし「こっぴどく叱られた」という点に大きな理由・背景があると考えられる。
- よくあるパターンとして、「靴紐を結び直した場所・タイミング・ユカの立場や職業」により、危険行為や不適切行為になっていた、という筋書きが考えられる。
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**計画:コーディング(2.1 ~ 2.2)**
1. 水平思考クイズの定石としては、以下のようなYes/No質問を想定するとよい。
- 「その場の状況は危険でしたか?(はい/いいえ/関係ありません)」
- 「ユカの職業は関係がありますか?(はい/いいえ/関係ありません)」
- 「動いている何かを操作していましたか?(はい/いいえ/関係ありません)」
- 「他者に迷惑がかかる立場でしたか?(はい/いいえ/関係ありません)」
- 「最終的に叱ったのは雇い主や上司ですか?(はい/いいえ/関係ありません)」
- …など
2. 「叱られるに至った決定的理由」を解き明かすには、「靴紐を結ぶ行為が危険・または禁止されている状況」や「絶対に目を離してはならない業務中だった」のではないか、と導く。
3. 推測できる典型的な答えは以下のようになる。
- **例**:「ユカはバスの運転手(あるいは車や電車など大勢を乗せる乗り物の運転者)だった。運転中に靴紐を結び直すためにハンドルから手を離した(前方不注意になった)ので、非常に危険行為として叱られた」
- あるいは「ユカは何らかの舞台・式典などで“姿勢を崩すことや動くこと自体が大きな問題”になる場面で、勝手に靴紐を結び直したために怒られた」など。
- ただし、多くの水平思考クイズでは「職業が決め手である」ケースが典型的なので、運転手(または乗り物の操縦士)説が有力。
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**計画:美学とデザイン (3.1)**
- 特にUIやコードのデザインが必要なケースではないため割愛。
- 水平思考クイズの進め方を構造化して提示すると、参加者がYes/No質問で徐々に真相に近づくための道筋が分かりやすくなる。
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**コーディング (4.1 ~ 4.2)**
ここでは「ソリューション」を「解答のロジック」として示します。
実際には会話形式でYes/No質問を繰り返しながら真相に辿り着くものですが、最終的な“答え”を提示する形でまとめます。
```plaintext
【水平思考クイズの想定回答例】
Q. ユカはなぜ叱られたのか?
A. ユカは運転中にもかかわらず靴紐を結び直したため、非常に危険な行為だったのでこっぴどく叱られた。
【解説】
- ユカはバスの運転手(または車・電車など多くの人を乗せる乗り物の運転者)だった。
- 転ばないように靴紐を結び直すこと自体は正しい行為だが、
運行中にハンドル/操作桿から手を離すなどの行為は重大な事故を引き起こすリスクがある。
- 結果として「乗客の安全を脅かす極めて危険な行動をした」として叱られた。
```
もし他のパターンとして「舞台上で主役を演じている最中に観衆の目の前で靴紐を結んでしまい、演出を台無しにしたから叱られた」という説も考えられますが、
多くの水平思考クイズでは「職業が運転手」という筋書きがもっとも典型的とされるでしょう。
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**検証 (5.1 ~ 5.3)**
- バスやタクシーの運転手、電車の運転士、飛行機のパイロットなど「運転・操縦」が職務の場合、手や目線を離して靴紐を結び直すのは重大な危険行為になる。
- そのため「靴紐が解けて転ぶリスクを避ける」以上の問題(多数の人命や安全)を軽視したと見なされて叱られた、と考えれば矛盾がない。
以上がこのクイズの代表的な「真相」です。
DeepSeekの回答
**答え:**
ユカは、靴紐を結び直したことで、他人の靴紐を踏んでその人を転ばせたため叱られた。
**推理過程:**
1. **他人への影響**→「はい」。ユカの行動が他人の転倒を引き起こした。
2. **意図せぬ結果**→「はい」。自分が転ばないようにした行為が、逆に他人を危険にさらした。
3. **公共の場での行為**→「はい」。人混みや共有スペースで靴紐を結び直し、周囲に迷惑をかけた可能性。
4. **直接的な原因**→「はい」。靴紐を結び直す際に体勢を崩し、他の人の靴紐を踏んでしまった(または長い靴紐が他人の足に絡んだ)。
ユカが転ばないように靴紐を結び直した際、周囲の人の靴紐を踏んでその人を転ばせてしまい、その不注意さを厳しく叱られたというストーリーです。
結論
純粋な性能として乗り換えを検討するには至らない。
ただ、重要なのはDeepSeekは無料で4o相当のモデルをストレスなく使えることと、推論モデルまで使えてしまうこと。
AIに興味があるライトユーザーはChatGPTに課金するんじゃなくてこっち使うのもあり。
懸念としては中国企業なので、中国の法律に則っている。サービスの安定性に懸念があるのでビジネス利用ではOpenAIに分売が上がる印象。
そもそもなんでこんなに話題になってるの?
話題になっている理由は生成AI業界の価格バランスを崩してしまったこと。
そもそも高性能AIのにはそれ相応のコストがかかって、そこにガンガン投資をするべきという流れがあったんだけど、それを低コストで実現してしまった(OpenAIの30分の1の計算量)。
現実問題として高性能の半導体を扱っているNVIDIAの株価が下がっていたり、大企業の過度なAIへの投資が見直されてきていたりする。
そういう意味でDeepSeekが生成AI業界に与えている&与えるであろう影響は計り知れない。
仕事では使わない。
おそらく仕事では使わない。
それはサービスの安定性が理由。OpenAIのコンプライアンスを盲目的にしんんらいしているだけと言われればその通りなんだけど、やはり今まで使い倒している信頼感を破壊するかと言われるとそうではない。
ただ、OpenAIの推論の上限に達した時や解決できない時は積極的に使っていこうと思う。特に、コーディング領域は無料の初期生成の中ではかなり性能が高く感じた。
Web開発の初期設計において推論モデルが与える影響はかなり実感しているので、それが無料ユーザーにも使えるというのがかなり進歩かと。
まとめ
今回はDeepSeekについて解説した。
大事なことは高性能モデルを誰でも無料でアクセスできるようにしてしまったこと。
おそらく今後も生成AI業界に影響を与え続けるであろうDeepSeekの情報を追っていく。