仕事柄学生と話すことが多い。彼らと話すと、課題やレポートの中で生成AIをフル活用しているとのこと。
今回の記事では彼らから聞いた話を参考にしながら、学生が課題やテスト勉強での生成AI活用術を伝授していく。
そもそもChatGPTを使うことは本当に”ズル”なのか?

調べてみると、自分の感覚よりも課題・テストで使っている学生は少ない。
株式会社ライボの調査によると、大学生の7割が生成AIを「使用したことがある」と回答し、24.4%の学生が学校の課題提出に使っていると回答している。

ここで仮説があるんだけど、
「ChatGPTとかの生成AIを課題で使用する=ズル」
って言う価値観があるんじゃないかって思う。
まず、この点について考えたい。
個人的には2つの見方ができると思う。
自分にとって優先するべきことはなにかで判断する

そもそも自分が時間をかけたいことってなんなのかを考えてほしい。
「課題」「テスト」じゃないならそれに費やす時間はできるだけ少ないほうがいい。それを少ない時間で片付けて、空いた時間をバイトとかインターンとか事業、別の勉強とかに使えば目眩く未来が待っている。
個人的には積極的にAIのツールを使って自分の作業時間を短くして、使いたいものに時間を使うのがいいんじゃないかと思う。
「より学びを深める」ための使い方もある。
一方で、ChatGPTや生成AIをうまく活用することによって、
むしろ“より深い学び”を得られるケースがある。

例えば
- 過去問題や授業のレジュメを参考にしてテストの予想問題を作成する
- 自分の作成した回答や思考を採点・評価してもらう
- 答えがない過去問題に対して解答例を作成してもらう
ちょっと思いつくだけでもこんな使い方がある。
使い方次第では、「ズル」じゃなくて、自分の学びをより良いものにするためのツールとして使うこともできる。
ChatGPTを使った具体的な活用術

いずれにせよ、
使わない人と使っている人の格差がめちゃくちゃ開いている。
一般的な「ズル」の観点から見ても、AIツールを使った学生は他の時間に自分の時間を投資して有意義な大学生活を送ろうとしているし、学習効果を高める方法で使っている人はより短時間でより質の高い学習をしていることになる。
だから個人的にはどんどん使っていくべきだと思う。
ここからは実際にどんな使い方ができそうかを考えてみる。
過去問題やレジュメを参考に予想問題を作成する

授業にはよると思うんだけど、過去問題があったり、授業のためのレジュメがあったりする。
テストの前提条件になっている情報を全てChatGPTに受け渡すことによってその内容に沿った問題を作成することができる。
やり方は簡単で、授業で使っている資料をそのままChatGPTに渡すといい。資料添付ができない場合には文字としてコピー&ペーストするだけでも読み取ってくれる。
過去問題の解答例を検討してもらう

また過去問題に関する使い方。
過去問題が入手できた場合でも、その問題の模範解答が入手できない場合が結構多い。
ChatGPTを使うことによって、模範解答を作成してもらうこともできる。
これに関しては一般知識に関することなら単に問題を与えるだけで教えてくれる。
ニッチな研究テーマの場合にはやはり授業の内容一覧などをPDFかプロンプトとして渡しておく必要がある。
授業の文字起こしを作成する

ちょっと応用になる。
実はかなり高精度の文字起こしAIが無料で使える。
これを使って文字起こしされたテキストデータをChatGPTに渡してまとめてもらうことによって簡単に授業メモを作成することができる。
やり方は別記事で解説しようと思う。ColaboratoryからOpenAIのWhisperを使うことができて、それを使って文字起こしをすることになる。
ChatGPTを使う上での注意点と心構え
ここまでChatGPTの課題やテストにおける活用方法について解説してきた。
ここでAIを使って学習の質・生活の質を高めるための心構えを紹介する。
自分の学習目標に沿って利用を検討する

スタンスとしては「楽がしたいから生成AIを使う」よりも「〇〇という目的のためにAIを使う」としたほうが生活が豊かになる。
例えば、
- 英語の勉強のために時間を使いたいからこの単位はサクッととってしまいたい。
- 浮いた時間を使ってインターンに没頭したい
- テストでいい成績を取りたい。そのために良質な学習素材が欲しい
などの目標を持った上で使ったほうがいい。
その観点で使うと、「ズルか否か」と言う観点を超えた意味のある利用ができる。
授業で「不正」と定義されていたら注意する

授業のシラバスを確認して欲しい。最近のシラバスには「生成AIの使用禁止」とか、「生成AIを使用した場合にはその箇所に注釈をつけること」などのルールが設定されている場合がある。
また、生成AIで生成されたかどうかと言うものはツールで判定できる。
そのため、そのテストや課題で生成AIを利用すると場合によっては不正・剽窃となってしまい、他の単位取得に支障が出る。
このような独自のルール設定がなされている場合には使用を注意したほうがいい。
(なお、自分の作成したツールが生成AIで生成したものかどうかを判定するためのツールが存在しており、それを使うことによってある程度バレないための策を講じることができるらしいがそれはまた別の話)
AIの使い方については日々学習しておく
テストの期間だけAIに触れるのはおすすめしない。イレギュラーが起きた時に結局普通に勉強したほうが早いし効果的になることが多いから。
いまいち生成結果が良くない時にどんな工夫をするべきか、どんな情報をAIに教えてあげればいい出力結果になるのかなど、使い方にはそこそこ知識やコツがいる。
なので、日々AIに触れておくことによって自分の能力を拡張しておいてもらうことをお勧めする。
AIの回答は鵜呑みにしない

いくら策を講じても、AIの回答は所詮AIの回答である。
よって間違いが混ざっていることもあるし、無理やりそれっぽく回答を生成していることもある。
これをある程度は判定しなきゃいけないと思うと、そこそこに授業内容を理解しておく必要はあるのかもしれない。
まとめ
めちゃくちゃありきたりな結論になってしまうけど、大切になってくるのは
要は「使い方」をしっかり考えましょうと言うことである。
現に身の回りでChatGPTなどの生成AIを使っている人たちがいることを認めた上で何をするのか。
考えずに過ごすのは差になってくる。
今回紹介したChatGPTなどの生成AIを使った課題やテスト勉強の仕方をぜひ一度試して欲しいし、自分の可能性の拡大に挑戦してみて欲しい。
この記事を読んだ人の一歩を踏み出すきっかけになっていれば幸い。