ChatGPTは便利だが、文章を読んでいると「なんか変」「内容は合っているのに読みにくい」と感じることがある。
自分もChatGPTを毎日使う中で、出力される文章にストレスを感じることが増えた。原因を整理すると、気になっていたのは主に次の4つだった。
- 「実は」「むしろ」で話をひっくり返す
- 部分修正で文章全体を崩す
- 普通の説明を変な言葉へ圧縮する
- 制作上の思考過程まで本文へ載せる
どれも単に「AIっぽい言葉遣いが嫌」という話ではない。文章の癖によって、AIが何を判断し、何が変わり、今どの状態にあるのかがわかりにくくなることが問題だった。
この記事では、自分が主にChatGPTのGPT-5.6 Solを日常的に使う中で感じた4つの癖と、実際に試している対策を紹介する。
ChatGPTの文章に感じる違和感は、言葉遣いだけではない
AIっぽい文章の特徴として、次のような点はよく挙げられる。
- 説明が抽象的
- 同じ意味の文章を繰り返す
- 語尾や言い回しが単調
- 必要以上に長い
こうした特徴も読みにくさの原因になる。ただ、自分が特に困っているのは、完成した文章の見た目だけではない。
自分はChatGPTを文章作成以外にも使っている。
- 文章作成:AIとの検討結果や、自分の考えを原稿にまとめる
- 壁打ち:日常生活の課題や、今後の進め方を一緒に考える
- リサーチや事務作業:必要な情報や資料を探し、状況を整理する
文章作成なら、公開前に読み直して直せばよい。しかし、壁打ちや作業の状況確認では、ChatGPTから返ってくる説明そのものが判断材料になる。
「なぜ判断が変わったのか」「何が終わったのか」「次に何をすればいいのか」が伝わらないと、その確認のために質問を重ねることになる。答えの内容を検討する前に、文章の意味を解読する作業が増えてしまう。

自分が減らしたいのは、文章から受けるAIっぽさだけではない。ChatGPTと一緒に作業するときに発生する、状況確認の手間である。
毎日使って気づいたChatGPTの文章の4つの癖
自分が気になっている4つの癖を先にまとめると、次のようになる。
| 癖 | どんな文章になるか | 何が困るのか |
|---|---|---|
| 「実は」「むしろ」構文 | 強い肯定や転換で話をひっくり返す | 判断を修正したのか、会話上の表現なのか区別しにくい |
| 局所最適化 | 指示した箇所だけを直し、前後とのつながりを崩す | 修正のたびに全文を確認する必要がある |
| 変な圧縮言語 | 普通の説明を抽象語や独自のラベルへ縮める | 後から読むと何を指しているのかわかりにくい |
| 思考過程の漏れ | 制作上の指示や除外条件まで本文へ書く | 読者に不要なメタ情報を削る作業が増える |

1. 「実は」「むしろ」で話をひっくり返す
自分が使っているChatGPTでは、質問や懸念を追加したときに、強い肯定や転換の表現が出ることがある。
- 「実は、こちらの考え方が正しいです」
- 「その懸念は非常に正しいです」
- 「むしろ、そちらが本筋です」
- 「考え方はほぼ合っています」
問題は、「実は」や「むしろ」という単語そのものではない。本当に見方を変える必要がある場面なら、使う理由はある。
困るのは、こちらが新しい情報を出したことで判断を修正したのか、会話を滑らかに進めるために強く肯定したのかがわかりにくいことだ。懸念を伝えるたびに「そこが本筋です」と返されると、言葉の強さに対して信頼が追いつかなくなる。


自分が欲しいのは、強い肯定ではなく、判断がどう変わったかがわかる説明である。
気になる回答
むしろ、そちらが本質です。考え方はほぼ合っています。
欲しかった回答
その懸念はあります。先ほどの回答ではこの点を十分に考慮していなかったため、判断を修正します。
後者なら、前の回答から何が変わったのかを追いやすい。こちらの意見を肯定してほしいのではなく、判断の変更点と理由を知りたい。
2. 部分修正すると全体が崩れる「局所最適化」
長い文章の一部を修正してもらうと、指示した箇所自体は改善しているのに、文章全体では別の問題が生まれることがある。
たとえば、記事の一段落だけ言葉遣いや構成を変えてもらう。その結果、次のようなずれが起きる。
- 前の章と主張が合わなくなる
- 別の章と同じ説明を繰り返す
- 同じものを別の用語で呼ぶ
- 修正した章だけ文体が変わる
自分はこの状態を「局所最適化」と呼んでいる。修正箇所だけを見ればよくなっているが、記事全体としては読みにくくなっている状態である。
これは、ChatGPTと長文を共同編集するときの問題である。
一か所を直すたびに全体の整合性が崩れると、修正後に全文を読み直さなければならない。修正を頼んだことで、別の確認作業が増えてしまう。
3. 普通の言葉を変な表現へ縮める「圧縮言語」
ChatGPTが長い内容をまとめるとき、一般的ではない抽象語や独自のラベルを作ることがある。
たとえば、次のような表現である。
- 「〇〇の源泉」
- 「〇〇の核心」
- 「〇〇の本質」
- その会話でしか通じない概念名
自分はこれを勝手に「変な圧縮言語」と呼んでいる。正式な用語ではない。
書かれた直後は前後の文脈があるので、何を言いたいのかはわかる。しかし、後からその部分だけ読み返すと、「結局、何のことだったのか」となる。
短くなっていても、読みやすくなっているわけではない。長い説明を独自の言葉へ詰め込んだ結果、その言葉を理解するために元の文脈が必要になるからだ。
自分は、要約するときに新しい概念名を作ってほしいわけではない。普通の言葉で短く説明してほしい。
4. 「書かなくていい」と言った思考過程まで本文に載せる
文章作成の指示と、読者へ見せる本文が混ざることもある。
たとえば、次のように依頼する。
指示
今回は一般論を書かず、自分の体験だけを書いてください。
すると、本文に次の一文が入ることがある。
出力
今回は一般論ではなく、自分の体験に絞って紹介します。
こちらは一般論を除外するために指示している。一般論を除外したという制作上の判断まで、読者へ説明してほしいわけではない。
ほかにも、「この話題には触れない」「この項目は今回は扱わない」と伝えた内容を、「この記事では〇〇は扱いません」と本文に書くことがある。
読者に必要なのは、最終的に採用した内容である。何を除外したのか、どのような編集判断をしたのかまで毎回説明されると、本文から不要なメタ情報を削る作業が増える。
4つの癖に共通しているのは「状況を理解しにくくなる」こと
ここまで挙げた4つは、表面上は別の問題に見える。
- 強い転換表現では、判断が変わった理由を確認する必要がある
- 局所最適化では、修正後に全文を確認する必要がある
- 圧縮言語では、抽象語が何を指すのか確認する必要がある
- 思考過程の漏れでは、本文から制作上の情報を削る必要がある
共通しているのは、ChatGPTが何を判断し、何を伝えたいのかを人間側が理解するための作業が増えることだ。
文章の違和感というと、AIが書いたと気づかれないようにする方法へ話が寄りやすい。しかし、自分がやりたいのはAIっぽさを隠すことではない。
ChatGPTへ相談したときに、回答の意味を迷わず理解したい。長文を直してもらったときに、どこがどう変わったのか把握したい。作業を任せたときに、現在地と残っていることを普通に確認したい。
言い換えると、AIと普通に仕事をしたい。そのために、状況を理解しづらくする文章の癖を減らしたいと考えている。
ChatGPTの文章の違和感を減らすために試している4つの対策
自分は、次の4つを試している。
- カスタム指示に文章ルールを入れる
- 目次と書きたい項目を自分で決める
- 過去に自分が書いた文章を参考として渡す
- 文章生成と、AIっぽさを除く工程を分ける

どれも一定の効果はあったが、一つで問題がなくなったわけではない。使って感じた限界も含めて紹介する。
1. カスタム指示に文章ルールを入れる
ChatGPTのカスタム指示に、使ってほしくない表現や文章の基本方針を登録している。
OpenAIの公式ドキュメントでは、カスタム指示は、応答スタイルなど、チャットをまたいでChatGPTへ反映したい好みを設定する機能と説明されている。毎回同じ条件を書かなくてよい点は便利である。
自分は、次のようなルールを入れている。
- 端的に書く
- 平易な言葉を使う
- 大げさな表現を避ける
- 過度に同調しない
- 指示していない提案を増やさない

毎回同じ注意を書く手間は減った。
一方、自分の使い方では、長文になるほど途中から指定が薄れたり、新しく出した指示が優先されたりすることがあった。どの指示がどの程度反映されたのかも見えにくい。
そのため、カスタム指示は土台として使い、記事ごとの条件や公開前の確認は別に行っている。
2. 目次と書きたい項目は自分で決める
文章全体の方向をずらしたくないときは、目次と各章で書きたいことを先に決める。
構成を渡しておけば、ChatGPTが勝手に論点を増やしたり、別の話へ広げたりする範囲を狭められる。記事の結論や、各章の役割も管理しやすい。
ただし、どこまで細かく書くかは難しい。
- 項目が粗すぎると、空白をChatGPTが自由に補い、意図していない内容が増える
- 項目が細かすぎると、自分で本文を書くのと変わらなくなる
今も、AIに任せる範囲と自分で固定する範囲を調整している。少なくとも、記事の中心メッセージ、見出し、各章で答えることは先に決めた方が安定しやすいと感じている。
3. 過去に自分が書いた文章を参考として渡す
過去の記事を渡して、「この口調や文章のテンポを参考にしてほしい」と依頼する方法も試している。
何も渡さずに「自分らしく書いて」と頼むより、具体的な文章があった方が意図は伝わりやすい。
ただ、過去の記事をそのまま参考にさせると、文体だけではなく、章の並びや話の展開まで似ることがある。参考にしてほしい範囲を次のように分けた方がよい。
参考にするもの
- 語彙
- 一文の長さ
- 文章のテンポ
- 語尾の傾向
参考にしないもの
- 章構成
- 論点
- 結論
- 具体例
過去の記事は、自分の文体を再現するための正解集ではなく、言葉遣いの参考資料として渡している。
4. 文章生成と「AIっぽさを除く工程」を分ける
自分はCodexやClaude Codeで使える、de-ai-toneという個人用のローカルスキルを作った。
このスキルは日本語のMarkdownを読み、次のような表現を探して修正する。
- 大げさな修飾
- 煽り表現
- わざとらしい比喩
- 装飾的な絵文字
- 説教調の文章
- クリックベイト的な見出し
事実、数値、手順は変えず、言い方だけを調整する。意味が変わる可能性がある箇所や、意図的に使っている可能性がある表現は勝手に直さず、確認するルールにしている。

よかったのは、「文章を書く工程」と「文章の癖を確認する工程」を分けられたことだ。カスタム指示にすべての条件を入れるより、最後に何を直したのかを確認しやすい。
一方で、ChatGPTやNotionで文章を作った場合、チェックのためだけに別のツールへ移す手間が増える。最初からCodexやClaude CodeでMarkdownを書いているときには使いやすいが、どの環境でも同じように使える方法ではない。
Codexを文章作成にも使う理由や、ChatGPT Workとの使い分けは、ChatGPT WorkとCodexの違いを整理した記事で詳しく書いている。
AIっぽい文章を直すチェック用プロンプト
専用スキルを作らなくても、AIっぽい文章を直すための確認ルールは通常のChatGPTで使える。
次のプロンプトは、自分が普段そのまま使っているものではない。de-ai-toneで設定している考え方を、ChatGPTへ貼り付けやすい形に直した例である。
以下の文章を、意味や事実を変えずに読みやすく修正してください。
修正ルール:
- 事実、数値、固有名詞、手順を変更しない
- 元の文章の主張と意味を変更しない
- 大げさな表現、煽り、わざとらしい比喩を減らす
- 抽象的な独自ラベルや新しい概念名を作らない
- 必要以上に読者や私の意見を肯定しない
- 「実は」「むしろ」などの転換表現は、意味上必要な場合だけ使う
- 制作上の指示、除外条件、編集判断を本文へ追加しない
- 修正すると意味が変わりそうな箇所は、勝手に変更せず確認事項として残す
出力形式:
1. 修正後の全文
2. 主な変更点
3. 判断できず変更しなかった箇所
対象の文章:
(ここに文章を貼り付ける)
長文を直す場合は、さらに次の確認を加える。
修正後の全文を対象に、主張、用語、重複、前後関係が崩れていないか確認してください。
問題がある場合は、該当箇所と修正案を分けて示してください。
「自然な文章にして」「人間らしく書いて」だけでは、何を直したいのかが曖昧である。避けたい表現と、変更してはいけない情報を分けて指定した方が確認しやすい。
ChatGPTの文章についてよくある疑問
ChatGPTの文章はなぜAIっぽく感じる?
抽象的な説明、同じ意味の繰り返し、単調な言い回しなどが違和感につながることはある。
ただ、自分が日常的に使う中では、言葉遣いだけでは説明できなかった。強い言葉で話を転換する、部分修正で全体を崩す、内容を独自の言葉へ圧縮する、制作上の指示まで本文へ書くといった挙動も、読みにくさにつながっていた。
「人間らしく書いて」と指示すれば改善する?
多少変わる可能性はあるが、何をもって人間らしいとするかが曖昧である。
「大げさな表現を使わない」「新しい概念名を作らない」「判断を変えた場合は理由を示す」のように、避けたいことと、代わりにしてほしいことを具体的に書いた方が管理しやすい。
カスタム指示だけでAIっぽい文章はなくせる?
自分の経験では、部分的には効果があった。毎回同じ文章ルールを伝えなくてよい点も便利である。
ただし、長文では指定が薄れたと感じることもあった。そのため、カスタム指示だけに任せず、構成を先に決める方法や、公開前の文章チェックも組み合わせている。
自分の過去記事を渡せば、自分らしい文章になる?
何も渡さない場合より、語彙や文章のテンポは伝わりやすかった。
一方で、構成や話の展開まで過去記事に寄ることがある。「語彙と一文の長さは参考にするが、章構成と結論は参考にしない」のように、使う要素を指定した方がよい。
長い文章を修正すると全体が崩れる場合はどうする?
修正した段落だけで完了とせず、最後に全文を対象とした確認を入れる。
- 主張が変わっていないか
- 用語が統一されているか
- 同じ説明が重複していないか
- 前後のつながりが崩れていないか
この4点を確認し、問題がある箇所と修正案を分けて出してもらう。最終的には自分でも全文を読む。
まとめ:まず「何が嫌なのか」を具体的に決める
「AIっぽい文章をなくして」と頼むだけでは、何を直せばよいのかが曖昧なままである。
自分が気になっていたものを分けると、次の4つだった。
- 強い言葉で話をひっくり返し、判断の変化をわかりにくくする
- 部分修正によって、文章全体の整合性を崩す
- 普通の説明を独自の抽象語へ圧縮する
- 制作上の指示や判断まで本文へ載せる
対策も、嫌な部分に合わせて分けた方がよい。
- 日常的な文章ルールはカスタム指示へ入れる
- 目次と中心メッセージは人間側で決める
- 過去記事は、参考にする要素を指定して渡す
- 最後に文章だけを確認する工程を入れる
目的は、AIの文章を人間が書いたように見せることではない。ChatGPTから返ってくる文章を、自分が迷わず理解できる状態へ近づけることである。
今回の4つの癖を最初に整理した経緯や、自分が感じていたストレスは、noteの「AIの文章のどこが嫌いなのかを言語化する」に書いている。

ChatGPTを日常生活でどう使っているかは、日常生活で使い倒す|ChatGPTの活用方法でも紹介している。

